社会・経済のうごき@しんぶん
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2016年12月06日号

2016年度税収、7年ぶりに前年割れ

 政府は2016年度の国の税収見通しについて前年度実績(56.3兆円)を下回る55兆円台後半に下方修正する考えを固め、2016年度第3次補正予算案で、税収不足分を赤字国債の発行で賄う方針である。当初見積の57.6兆円から約2兆円下回り、リーマンショック後の2010年度から増収を続けてきたが、7年ぶりに前年を割り込み、赤字国債発行に至った。円高などで企業収益が落ち込み、法人税収が減ることが主因として挙げている。



イタリア首相辞意、欧州危機再燃の危惧

 12月5日、イタリアのレンツィ首相が政府権限を強化する憲法改正に対する国民投票が敗北したことを受け辞意を表明した。改正案は1948年施行の憲法全139条のうち47条に及び、当初から劣勢が伝えられていた。首相辞任により、政治停滞を招くだけでなく、イタリアの銀行が抱える3600億ユーロ(約44兆円)もの不良債権問題で銀行再建が停滞するとの危惧もあり、ユーロ圏で3番目の経済規模となるイタリアでの混乱は欧州全体の金融不安が生じかねない不安が指摘されている。



29年度社会保障費、一般会計の3分の1

政府は平成29年度予算案で一般会計総額が過去最大規模となる97兆円台での編成となる見通しで調整を図るとしているが、高齢化の進展を背景に、社会保障費も前年度(31兆9738億円)を上回り過去最大の32兆円台となり、予算の3分の1を占めることになりそうだ。社会保障費の自然増加分は約6400億円になると見込まれているが、政府は約5千億円増に留めたいとして、一定の所得のある高齢者の自己負担分を増やす方針を示している。



休眠預金法が成立し、貧困等の対策に

12月2日の参院本会議で、10年以上取引が行われていない口座で、残高1万円未満または残高1万円以上で持ち主と連絡が取れない口座の休眠預金を民間の公益活動財源に利用できる「休眠預金法」が成立した。休眠預金は、国などが出資する預金保険機構に移し、新たに設ける「指定活用団体」が公益活動を行うNPO法人などに助成や貸し付けを行うとしている。公布後1年半以内に全面施行され、その後1年経過後に発生した休眠預金が対象となり、NPOへの助成等は3年後になる。



自動車の燃費表示、2年後から新表示に

国土交通省は、2018年度から自動車の燃費表示方式を国連作業部会がまとめ国際基準の「WLTP」表示方式に改めることにした。燃費表示が「実態とかけ離れている」との批判や三菱自動車の不正表示問題で消費者の不信に対応するもので、現行の日本独自の基準を改めることにしたもの。現在の方式では、「平らで真っすぐな道をエアコンを使わず走る」と現実的でない状況が想定された基準となっているが、新表示では市街地か高速道路かなど走る条件ごとに燃費が表示されることになる。



日本郵便、ネットで受け取れる「マイポスト」

日本郵便は来年7月から、公共料金の明細など重要情報をインターネット上の個人専用ポストで受け取れるサービス「マイポスト」を全国展開する方針を固めた。マイポストは、住所・使命などを登録してアカウントを開設するとネット上で受け取れることができるもの。既に会津若松市では、健診お知らせ、選挙投票所の案内、入学通知などをマイポスト利用者に送付している。マイポストは、来年7月から運用が始まるマイナンバー制度の個人向けサイト「マイポータル」と連携するとしている。



小規模な人材派遣事業者の倒産が増加

 東京商工リサーチの発表によると、今年1~10月の労働者派遣業の倒産は前年同期比8%増の54社に上り、負債総額も同8.2%増の38億200万円となっていることが分かった。倒産1件当たりの平均負債額は7千万円で小規模事業者へのしわ寄せがあったとみられる。小規模な労働者派遣事業者の倒産が目立った背景には、昨年9月施行の改正労働者派遣法で、資産要件の強化や派遣社員のキャリアアップ支援が義務化されたことにより、経営コストがかさんでいることが響いたとみられる。



冬ボーナスの使い道、最多は「貯金」

 マニュライフ生命保険が東京と大阪の30~59歳までの男性を対象にした調査によると、ボーナスの使い道で最も多かったのは「貯金」(東京エリア53.2%、大阪エリア57.6%)で、「今使いたいものに使う」(東京29.3%、大阪27.6%)、「投資」(東京17.6%、大阪14.8%)が続いた。また、人生で最も大事だと考えているものを尋ねたところ、「お金」(東京32.4%、大阪38.8%)が最多で、「妻・彼女」(東京23.2%、大阪25.6%)が続いた。



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