社会・経済のうごき@しんぶん
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2013年02月05日号

昨年度の貿易赤字額は過去最大

財務省は2012年の貿易統計で輸出から輸入を差し引いた貿易収支は6兆9273億円の赤字となり、赤字額は過去最大になったと発表した。これまで過去最高の赤字額を記録したのは第2次石油危機時の1980年の2兆6129億円だったが、昨年度の赤字額はその3倍近いものとなった。輸出の大幅な減少に加え、原発停止により代替となる火力発電の燃料の液化天然ガスの輸入が増加したことが背景にある。



昨年の給与総額は過去最低に

厚生労働省の勤労統計調査によると、ボーナスをはじめ全ての給与を合せた2012年の現金給与総額は月平均で31万4236円だったことが分かった。現在の調査方法に移行した1990年以降で最も低い額となった。過去ピークとなった1997年の37万1670円より約5.7万円減少した。大震災の影響や、世界経済の減速と円高により、製造業を中心にボーナスが減少したことが影響している。



訪日外国人、震災前水準の836万人に

日本政府観光局は2012年に訪日した外国人数は前年比34.6%の836万8千人になり、東日本大震災前の水準にまでに回復していると発表した。これまで過去最高だった2010年の861万人に次ぐものとなった。日本政府の個人観光査証(ピザ)の発給要件の緩和に加え、格安航空会社の新規就航が訪日者数を押し上げた。国・地域別では、前年に続き首位となった韓国の204万人で、台湾(146万人)、中国(143万人)が続いた。



製造業就業者数、51年ぶり1千万人割れ

総務省の発表によると、2012年12月時の製造業の就業者数は998万人となり、1961年以降で初めて1千万人を割り込んだ。製造業の就業者数のピークは1992年時点の1603万人で、それ以降、減少傾向にあり、この1年間だけでも35万人減っている。減少の背景には、労働力人口そのものの減少に加えて、製造業の海外での生産拠点への移転が加速した影響がある。製造業での雇用調整分をサービス産業が吸収している構図となっている。



日本の「報道の自由度」は世界53位

国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が発表した世界各国の報道の自由度ランキングによると、日本は昨年の22位から大きくランクダウンし53位にされたことが分かった。大幅に順位を下げた理由として、同組織は「福島第1原発事故に関するメディアの独自取材を当局が禁止した」ことを挙げるとともに、「情報公開も不十分で、公表された情報も錯綜し、国民を不安に陥れた」としている。



世界のがん死亡者数は年760万人

世界保健機構(WHO)の発表によると、世界での新たながん患者数は毎年1700万人に上り、死亡者数は年間760万人になることが明らかになった。WHOは今後20年で新たながん患者は倍増する恐れがあると警鐘を鳴らしたうえで、「早期の発見・治療や生活習慣の改善でがん死亡例の3分の1は防ぐことができた可能性がある」と対策の強化を指摘した。



トヨタ、世界販売台数が過去最高に

トヨタ自動車の発表によると、2012年の自動車の世界販売台数は974万8千台となり、過去最高になったことが明らかになった。同時に、米ゼネラル・モーターズ(929万台)や独フォルクスワーゲン(907万台)を抑えて、2年ぶりに世界販売台数で首位となった。前年を22.6%上回る大幅な増加となった。今後もインドなどの新興国向けを中心に海外販売が好調に推移するとの見通しである。



コメ、2年ぶりに「主食の座」に

総務省の家計調査によると、一般家庭の食料品支出でコメへの支出額は4.7%増の2万8730円で、パンは0.1%減の2万8281円となり、コメへの支出が2年ぶりにパンを上回り、「主食の座」に返り咲いた。コメの支出額が増加した背景には、震災後に農家や流通業者が在庫を抱え込んだことによって、流通価格が上昇したことがある。しかし、コメの購入量自体は1世帯当たり78キログラムで過去最低となっている。



GDP成長率、実質1.5%の強含み見通し

政府は2017年度の国内総生産(GDP)成長率見通しを、これまでの試算より上方修正し、実質で1.5%程度、名目で2.5%程度とし、次年度予算案のベースとする方針を固めた。上方修正した根拠として、企業業績が堅調に推移し、設備投資も増加、さらに海外経済の回復によって、成長していくものと見込んでいる。ただ、民間シンクタンクでは実質1.0%近辺、日銀は1.3%と予測しており、政府の強気な見通し姿勢がみられる。



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